”もう日記更新しない”宣言をした途端に、バタバタと何件かマイミク登録の申し出があった。まったく現金な連中である。
しかし、中にはたいへん熱烈なものもあり、気をよくした私はもう一日だけ何か書くことにしたい。「マイミク登録一人につき、日記を一日延長!」とか調子にまかせて放言したいところだが、その作戦は諸刃の剣であることを、経験を知恵に変える賢明さを持つ私は知っている。申し出が無い場合間違いなく、驚くほど深く自分が傷つくのである。件の「生きながら萌えゲーに葬られ」についても、途中までは機嫌よく進んでいたのだが、ぱったりと書き込みが途絶えて以降は、「そんなにつまらないのか」とひどく落ち込んで、毎夜泣きながらアルコールを大量摂取し、翌朝には決まって水のような軟便をミリミリと排泄したりした。
とは言え、新しいことを書くのも面倒くさいので、さっき書いたメールの一部を引用することで今日の日記と変えたい。私のファンを称するすべての人間が目にしておくべき文言だと考えるからである。引用開始。
……特にインターネットの個人サイトの場合、それを運営する動機というのは極言すれば、「感想をもらう」の一点しか無いと言えます。私にできることは常に同じ場所で芸を披瀝するだけで、通りかかる観客がそこへ何も声をかけないのだとすれば、私が”芸を披露した”という事実さえ、無かったのと同じになってしまうのです……
引用終了。まったく、長時間労働の後にこれだけのスマートな文章をサッと送信できる私は、この上なくダンディで素晴らしい。読み返すだけで涙が出てきた。君たちは私の見かけ傲慢な態度よりも、時折のぞくこういった透明な繊細さの方をこそ積極的に汲み、その壊れやすいガラスの自意識に配慮した内容と回数で、私を鼓舞するべきである。
”軟便をミリミリ排泄する”の下りを読み返すにつけ、何の後ろめたい気持ちも生じず、むしろ気分爽快である。記述を終える。